2012年01月10日

BarAday

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銀座のとある場所。
こそりとした小道を入って行くと「Bar A day」が、ある。

歴史から何かを託される方というのはあるもので、
お店自体はまだ5年とマスター共々お若いものの、
マスターの抱えるお酒達は、銀座の絵巻物のよう。

ひょんなことで訪れる事になったのだけど、
これが、強烈なご縁の不思議。

私が上京したすぐくらいに、現役最高齢のママと言われる、
とはいえ、想像を絶する美女だった、伝説の女性に出会った。
その時も、今回も、奇しくも誘われた言葉は
「おもしろいバーがあるんですよ」
だった。

カメラも手にした最近、妙に昔が懐かしく、
いろんな地域に行く様になると、かえってきになる土地が出来てきたりと、
そんなこんなが重なって、実は今年は探し出してでも、
お会いしたいと思っていたのだ。

どんな流れだったかは忘れたけれど、
とろみすら感じる、濃いモルトと、
モルトの海の中にいるような、
厚い金色のガラスのシェードにくゆる光のなかで、
そんなこんなな話になった時、マスターが、
「そのママ、お顔を見ればわかりますか?」
と、一枚の写真を見せてくれた。

まさに、その方だった。
今年の幸先の良さに一瞬腰が浮いた。

すると、次の瞬間、マスターは、
「実は数年前になくなったんですよ」
と、教えてくださった。

伝説の女性は、もう、伝説の扉の向こうへいってしまったんだ。

少し落胆もしたけれど、でも、一度きりご尊顔を拝しただけの身としては、
それでも消息がお伺いできただけでも、最高だと、思ったよ。

マスターの足跡もおもしろく、銀座の歴史を身近に感じることができて、
「銀座が若者の街」だったころのいくつかの名残の品を見せていただいたり、
それはそれはありがたい一夜になってしまった。
「託された方」なんだなぁとしみじみ思った。

このままじゃ一晩中あってもお話しし足りないよ!
と、思う私たちを察してか、神様は着物の美しい女性を伴った、落ち着いた男性のお客様を、
そして、寒さを逃れてやってきたサラリーマンの人達を戸口に招かれた。

バーはいつものバーに戻って、うっすらとあいた歴史の扉は新しい空気のリズムの中に隠れて、
ただ、入ってきたとき以上にうっすらと時代を帯びて見えたのは、酔いかしらと、思いつつ、
凍る空気の中にこぼれてみた。

こんなことも、あるんだな。
こんなことも、あるんだね。

何かと、こんなコトだらけの最近。



posted by つぐみ at 23:00| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 御無沙汰してます。 久しぶりにブログを拝見させていただきました。
たまにブログを書く身として、つぐみさん文章力は言わずもがな、
比喩の使いかた面白いとおもい勉強になりました。 ありがとうございます。

 『Bar A Day』、いい店ですね。
いい飲み屋には、さまざまな繋がりやいろいろな出会いがあるとおもいます。

今年も頑張ってください!
Posted by ciro at 2012年01月20日 06:43
いっつも「おまえのゆーことはむつかしくてわからん」と言われっぱなしです。
でも、時々、わかってくださる方がいて、ありがたいです。
たぶん、読めてくださる人がえらいんです。
自分でも、何の事をかいてるのかわからないときありますよ。
遂行すればいいんだけど、根性に前髪しか生えてなくて(;;)
今年もがんばります。ありがとう!>ciro
Posted by つぐみ at 2012年01月21日 01:38
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