2012年02月10日

おがさわらさんの魔法の柄杓

DSC_0888.jpg

「思春期のとき終戦」
お年を尋ねると、吾妻屋の小笠原さんはわらった。
「60年やってるけどまだまだだな」
どのくらいの期間でおぼえられるか尋ねると、そんなこという。

工房中宝の山。






全国獅子舞フェスティバルのときにもらった、
「喜久水の樽」の蓋を作ってもらったご縁で、
ちょこちょこ遊びに行って、色々見せてもらうようになった。

今日はずっと気になってた「大きなひしゃく」を、
やっぱりほしいなぁと、かいにいった。

「あぁ、いいとも、もっておいき。これ、最後の一本。もう作れんでな。」

と、小笠原さんは言った。

「神事につかうものだけど、ほら、あれ、やくざの出入りの時、こうやるだろ?」
と、お酒を飲むかっこをした後、ぷーっと吹くゼスチャをした。
「そのときの。」
そして、笑った。

「出入りでやすか、大将、それはデイリーにつかわせていただきやす(あ▽あ;)」

この人はもうって気持ちにいつもさせられてむずむずする気持ちを、
あたしも小笠原さんにはわからない感じでつまらない事言ってかみつぶす。

「いかほど?」

と、私は聞いた。

「いくらもいらん、もっておいき」

小笠原さんは言った。

「そりゃいかん。いくらよ?」

といったら、

「知らん仲じゃ無いら?」

と、返してくれた。


っっっっっっっっっっっっっっっっっ!Σ(あ■あ;)

不意打ちに思わず目頭があつくなるんだけど、こんくらい耐えられるわぼけ!
と、ふんばったら、空気の冷たさに鼻の奥が直撃を受けて、
眼球いっぱい涙がたまった。

最後、とかいわれたら、なんだかなぁ。
たった数年前からのあれこれのなかで、
「知らん仲じゃなくしてくれる」懐のあったかさも、なぁ。

ぐあ。やっぱり痛恨の一撃。ごふっ。

「・・・んじゃ、三千円」

ちきんはーとで言ってみる。そしたら、やっと、

「じゃ、千円。千円でい〜ら。」

と、いってくれた。

お財布の中に一万円しかなくて、これじゃ、おつりを払い破産になっちゃうと困ってたら、
一緒にいた宮田のおみっちゃんが、「小銭でよきゃあるよ」と、500円玉を二枚貸してくれた。
なんか、それが金貨に見えて、あたしはすっかりRPG気分。

つぐみはおおきなひしゃくをてにいれた!
そうびしていきますか?
右向き三角1はい
 いいえ

である。袋が無いので装備。
どうみても、捨てキャラの面白イベントコスである。
きっと、アンデッド系やゴースト系にしか効かない「殴り系」武器だ。
しかもHP/MPともに、1ずつ。たまに会心の一撃、みたいな。

そんなこと思ってたら、
去年小笠原さんが買った「新車」がいなくなってるのに気がついた。

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「小笠原さん、車どーしたの?おらんら?」

といったら、

「捨てちゃった」

と、言った。

「動きが怪しいから、捨てちゃった」

日本車の新車だ。動きが怪しいなんてないらと聞いたら、

「私のね、運転があやしくなったから」

と、いった。

っっっっっっっっっっっっっっっっっ!Σ(あ▼あ;)

「捨てるなら、もらいにきたのに」
とか、
「なぁんだ、逃げちゃったのかと思ったよ」
とか、しか、浮かばない返しも発せない、
侘び寂びを超えた、極彩色のモノクロ寂寞感が私を襲う。


いつもはぴちぴちと、生きのいい会話をするのに、
今日はほんの少し、思い出話をしてくれた。

神様みたいに頭のいい人だ。
頭のいい人がともに生きてくれるありがたさって、どんだけすごいのか、
。。。すごいのよ?

しかも、優しい。

DSC_0887.jpg

「こんだけ宝物の素材があったら、お弟子に引き継いでほしくならない?」

ときいたら、

「かわいそうだ。食えんら?」

と、応える人だ。

せいろがあったら全部引き上げようかと思って、きいたら、
「せいろはむかしつくっとったけど、いらなくなってな、
 最後まで作っとったのはふるいかなぁ」
と、いった。農家さんが買ってたのかな。
おそばやさんが?

ちょっと、「ふるい」の使い道を考えてみよう。

なんだか、しんみりしちゃいそうだったので、
今日はひきあげて、また明日元気を届けにこよう。
と、おもった。


そして、ひしゃくもって、その日を一日過ごすはめになるのだけど。。。

ご利益はすごかった。

おみっちゃんと入った「くろがねや」さんが、大入り満員で戦場!

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ナイスなオブジェに遭遇!

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サリョウでいつもは見ないイケメン発見!
あんど、秘密の紅茶をゲッツ。

DSC_0964.jpg

三の蔵で、諏訪に行った方のお土産「大社せんべい」の、
「最後の一個」を頂いた。

プチラッキーがとすとす立て続け。

このほかにも、行った先で「ひるがみおんせんのお風呂券」をもらったり、
もらいものを相当したので、この日の胸と鞄はぱんぱんだった。

翌日、小笠原さんにお礼を言って、私の撮った写真をプリントしてあげた。

そしたら

「さすが専門家だな。よく撮れとるな〜。これはちゃんと頼むと高いよ。」

と、喜んでくれた。いつものつやつやぴかぴかの小笠原さんだ。
よかった。

そしたら

「子供や孫にのこしてやる物が出来た」






っっっっっっっっっっっっっっっっっ(あ◆あ)


あ。
posted by つぐみ at 15:00| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後の写真、柄杓の中に何か入ってるのかな?
って思って拡大してみたら、???
大きな柄杓だと、柄の接合に掛かる重量の関係でこんな複雑な工作になるのかな?
何だかその部分が物凄く気になって、向こう側からも、下からも覗いてみたい・・・とか(笑)
ご主人オリジナルの工夫があったりするのかな?とか。

長年同じ物をつくり続けている人って、
日々毎日哲学してるようなトコがあるからか、
活字にしたら大した字面でない様な言葉でも無駄が無くて、程よい重みや温度があって好きです。^^
Posted by Fumi at 2012年02月20日 12:54
不思議でしょ?
釘を使わないで、まげたり、縫ったりするの。
合わせ部分は穴に桜の木の皮を編み込むんだけど、
それも、すごいよ。
けっこうお酒の入りそうな柄杓で、見た感じは軽いし薄いし、
でも、その重みを支えちゃうんだもの。

すごいよね。

今度きちんとお写真とってみるね。
しげしげ眺める様に。>fumi

Posted by つぐみ at 2012年02月20日 13:25
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